低濃度アトロピン点眼による近視進行抑制

マイオピン点眼情報です。(平岡孝浩著 日本の眼科91:6号880-881 2020より)

低濃度アトロピン点眼の近視進行抑制効果、休薬後のリバウンドも検討したフォローアップ研究の結果が報告され、リバウンドが少なく、有効性と安全性のバランスが最も優れていると広く知られるようになりました。

レトロスペクティブスタデイですが、米国およびイタリアで行われた検討では学童において有意な近視進行抑制が認められたと報告され、ドイツでのパイロットスタデイの結果でも有意な近視進行抑制が認められました。アジアのみならず欧米でも低濃度アトロピン点眼のエビデンスが積み上げられています。

本邦においても全国7大学で他施設共同研究が行われ、低濃度アトロピン点眼の有意な近視進行抑制効果と眼軸長伸長抑制効果が確認されました。

至適濃度はもちろんのこと、最大の効果を得るための開始及び中止年齢、使用継続期間や中止後にリバウンドを生じたときの対応(再開すべき条件や再投与方法)などまだまだ課題は山積しています。今後の報告に期待です。