ぶどう膜炎診療ガイドライン

今回は日本眼科學會雑誌第123巻第6号、ぶどう膜炎診療ガイドラインから。

ぶどう膜炎、ご存知ですか?人の目の茶目、虹彩は、ぶどう膜のひとつです。目の後ろ側の組織脈絡膜もぶどう膜です。これらの特徴は血管が豊富な組織であること。そのため色がぶどうの色ににているためぶどう膜と言われるようになったとのこと。ここに炎症をおこして視力低下、痛み、充血などの症状をおこすのがぶどう膜炎です。

国際的にみると、ぶどう膜炎の疾患構成ほ地域や民族により大きく異なっているため、日本における状況について述べていきます。

2009年の疫学調査結果から、最も頻度が高い疾患は、サルコイドーシス(10.7%)ついでフォークト-小柳-原田病(7.0%)、急性前部ぶどう膜炎(6.6%)強膜炎(6.2%)と続く。ベーチェット病は、第6位で減少傾向になってきています。分類不能が38,9%、ここからわかるように、ぶどう膜炎診断がつくことは、少なく、原因が不明のぶどう膜炎が多いのです。ベーチェット病に関しては、患者数の減少のみならず、疾患の軽症化も報告されてます。単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスなどのヘルペスウイルスによる疾患の増加が目立つようになってきてます。環境、生活習慣の変化、診断方法の進歩などによるものと考えられています。

治療は、ステロイド治療、免疫抑製薬、生物学的製剤。ぶどう膜炎治療は、長期にわたることもあり、再発することも多く治療が困難なこともあります。

日本眼科學會雑誌第123巻第6号639-696

参考文献

Goto H et al:Epidemiological suevey of intraocular inflammation in Japan.Jpn J Ophthalmol 51:41-44.2007

Yoshida A et al:Comparison of patients with Behcet’s disease in the 1980s and 1990s.Ophthalmology111:810-815.2004